前回は膝関節にたまる水は関節液と言い関節がなめらかに動くのに必要な潤滑液であるというお話をしました。今回は治療のお話です。

患者さんから「膝にたまった水は抜かないとダメですか?」とか「膝の水を注射で抜くとクセになると聞いたのだけど…。」とお話をうかがうことがあります。膝の関節内注射とは炎症によって異常増殖した関節液を注射で抜き、ヒアルロン酸やステロイド剤などの消炎剤を注入する治療法です。

患者さんが言う「クセになる」という表現は注射自体が悪いものであると考えているニュアンスがうかがえます。私はこの注射は優れた治療だと思っています。膝がパンパンに腫れていて関節内の内圧を下げた方が良い場合は適切な医療機関をご紹介するようにしています。

だたし関節内注射をしても良くならない方・再度水がたまる方がいるのも事実です。これは膝関節の炎症を起こしている根本原因を治していないからです。

当院で膝関節疾患の患者さんを診察する時には、膝の関節がズレていないか捻じれていないか膝裏が伸びなくなっていないかというポイントをチェックしています。膝の筋肉のこわばりを鍼治療でやわらげたり、捻じれている膝関節を整体により正してあげる事が最終的には治る近道ではないかと考えています。